「朝食を抜くと体重が増える」という定説のメカニズムを、名古屋大大学院の小田裕昭准教授の研究グループがラットの実験で裏付けた。朝食を抜くことで体内時計に狂いが生じるためという。論文は31日、米科学誌プロス・ワン電子版に掲載された。
ラットは起きている間、餌があれば断続的に食べ続ける習性がある。
小田准教授らは、56匹のラットを2グループに分け、一方には通常通り餌を与え、別の一方には起きた4時間後から餌を与えた。前者は朝8時に朝食を食べる人に、後者は朝食を抜き正午に最初の食事を取る人にそれぞれ見立てた。いずれにも14日間、高脂肪の餌を同じ量与えた。
実験の結果、後者のグループのラットは通常より平均約7~8%体重が増加。肝臓を遺伝子レベルで比べたところ、後者は体内時計をつかさどる時計遺伝子の働きに約4時間の遅れが生じ、体温の高い時間が短くなっていた。体内時計が狂い、活動時間が少なくなることでエネルギー消費が減り、体重が増えたと考えられるという。
小田准教授は「朝食欠食で太ることがラットで見えた。人間にも応用できる研究だ」と話している。