ビタミンDと大腸がん
これはラジオから流れてきた情報なのですが、ビタミンDが大腸がんによる死亡率を下げる可能性が高いと発表されたそうです。 ビタミンDの「大腸がんを抑制する働き」については今後も研究が続けられるとのことでしたが、これはとても良い例題になると思います。
多くの人はビタミンDには「大腸がんを抑えてくれる力があるんだ!」と嬉しく感じると思います。実際問題、とても喜ばしいことだと私も思います。
ですが、少し視点を変えてみると「ビタミンDの役割をまだ解明していなかったんだ」という事でもあります。
医学はまだビタミンの力すら解明できていない
今回の発表で改めてわかったことは、現代医学はまだ「ビタミンの働き」についても未解明な部分があるという事です。医学書に掲載されている「ビタミンの役割」とは「現時点で判明しているもの」に過ぎません。それ以外にも実は色々な働きを持っていると考えた方が良いでしょう。
医学は確かに人類が到達した科学の頂点だと思います。ですが、その頂点ですらまだこんなものなのです。「医学は凄いが、まだ見えていない部分が多い」という現実を理解しておくことが大切だと考えています。「医学が残す未踏の地は脳だけ」といった表現が溢れていますが、実際はビタミンD一つでこの状態という事です。
医学に関わる人が認めるべき
僕は医学に関わっている人が「医学の現実と限界」についてしっかり患者側に伝えるべきだと思います。「医学的根拠がある、ない」の話に終始しますが、そもそも「医学」自体がまだまだそんな状態であると伝えるべきです。関係者が「医学は全てを解明している」という振る舞いをするから患者側が医学に閉じ込められてしまうのです。
医学的根拠なんて学会で発表する、学会で受け入れられることがなくては成立しません。学会は身内の世界で外野を歓迎しません。マッケンジー体操一つ見てもデータの問題ではない事は明らかです。
まだ、見えてない部分が多い事を自覚しよう
私達は大きな勘違いをしながら生きています。
- 人間は身体の事を全て解明した
- 人間は地球の事は殆ど把握した
- 残すところは「脳」か「宇宙」だ
この様な認識を持っている人が多いですし、実際にTV番組等でも「最後の神秘」といった表現がされる事が多いです。それは明らかに間違いです。
未だに人間の身体の中で起こっている代謝反応にしても、取り込まれた物質の種類やその働きについてもまだまだ「見えていない部分が多い」ですし、「どれくらい見えていないのか」が不明な状態です。だから次々と「新たな物質が判明した」「物質の抽出に成功した」といった発表が起こるのです。
人間はまだ「大雑把に把握したに過ぎない」と考えておきましょう。自然界に存在する菌の数、腸内フローラの日和見菌の働き、どちらもまだまだ未解明です。何より「悪玉菌」「善玉金」の働きすら「まだ見えていない部分」が多いのです。
「現時点で判明している事」を「ついに解明された!」と大きな勘違いをしながら私達の医学は発展をしています。それを知っておくだけでも日常で触れる情報の見方・見え方が随分と変わってきます。