感覚について
筋肉、骨、関節包
- 筋疲労感:化学物質(の蓄積、循環不良)
- 深部痛覚:発痛物質
外部感覚野
- 圧力・張力・伸展 :皮膚痛覚
人間の身体は3層構造
- 表層(外胚葉):表皮(皮膚や脂肪)・神経組織
- 中間層(中胚葉):骨格、筋、結合組織(関節包)・循環系・泌尿器系
- 深層(内胚葉):消化腺、消化管上皮・呼吸上皮※上皮は体外
但し、口腔から肛門までの空間は「外部」です。つまり内臓の中と考えられる部位は実は皮膚と同様の最外層といえます。 外胚葉で体内に進入し、両端が閉じた神経管が脳と脊髄と成長し、そこに入り損ねた神経は第一次ニューロンとして末梢神経になります。
ゴルジ腱器官
膠原繊維(コラーゲン)を主成分とする結合組織で80%~90%がそれにあたります。張力を捉える事に特化された繊維組織で筋肉は存在していません。中に通る神経は伸展受容性のものです。
張力過剰の場合は抑制作用を及ぼす
張力過剰を検知した場合、その張力を生み出している主動筋を反射的に抑制させます。これはストレッチに応用される理論。 この抑制作用の為に、全力で収縮を継続している場合、そこから一層の運動強化は不可能。全力疾走からジャンプは不可能。助走とは過剰進展を起こさない程度の運動となります。
超高性能の張力モニター
接続している筋肉に発生する張力が「ほぼ100%掛かる=検知される」
牽引特化の性質
膠原繊維(コラーゲン)が主成分の為に、牽引に対しては非常に強固ではあるものの、単独での収縮能力はありません。その為に「張力維持」の仕組みを持っておらず牽引中は張力を発揮しますが、逆に収縮方向への力が掛かった場合は緩むというよりたるむだけです。
これは膠原繊維が主成分となっている部位全てに当てはまります。関節包などもそうです。 なお、膠原繊維は様々な方向性の繊維が繋がりあっている為に緊張の角度の組み合わせは無数にあります。ただし、椎間板の様な階層性は無い様です。
関節包
関節包も膠原繊維が主成分の為に「張力が掛かる」か「たるむ」かのいずれかになります。収縮能はありません。
人間は基本膝の前方は緩む構造
人間の直立位では膝の関節包の前面はたるみ、後面が緊張をするのが基本です。膝が屈曲した場合は前面が緊張し、後面がたるむ形になります。それを全面がたるみ、後面が緊張する様に再構築する事で膝痛は軽減される訳です。
つまりは本来の状態に戻してあげるという事です。 基礎設計と異なる状態に陥ると、順応はすれど刺激に対して過敏になります。その為、わずかな圧変化にも痛みという形で感覚が起きます。身体に余裕が無いという事ですね。
痛みや感覚の閾値自体が変化するというよりも、閾値との距離が近くにある為に少しの動きでも閾値にたどり着くという事。
筋肉の特徴
- 1.動力発生装置
- 2.感覚器
1つの筋に走る神経繊維は約10,000本 5,000本は筋内:100個の筋紡錘(米粒サイズ)と筋外:ゴルジ腱器官の専用繊維。つまりは張力モニター用繊維。 残りは錘外筋細胞へ。つまり収縮と伸展に50%ずつ配分。
伸展反射は常に起こっている
伸展反射は一定の張力が発生した時点で起こるものと考えられがちだが、実際には「関節を動かすレベルの運動」が起こっていないだけで、伸展に対して常に収縮反射は起こっている。
痛みについて
血管の例
血管の外壁には
- 痛覚の感覚受容器
- 交感神経線維
がびっしりとまとわりついている。 内臓枝:内臓の血管、粘膜 体壁枝:皮膚、関節包、骨膜、腱、筋膜、筋骨格の血管
血管はあらゆる場所に伸びる
冷温感
スポーツウェアに密着系が多い理由
空気抵抗を減らすという事もありますが、もう一つは衣服と皮膚の間に空気の層を作らない事です。生地と皮膚の間に空気の層ができてしまうと、運動中の動きによって強制対流が起こり、身体が冷やされてしまうからです。
熱産生
- 1.骨格筋:60%
- 2.肝臓:20%
熱放出
- 1.体表放射:45%
- 2.体表伝導・対流:30%
- 3.発汗と呼気:20%
顔の感覚神経の比率
- 痛:100
- 圧:17
- 冷:18
- 温:4
痛覚が圧倒的すぎる。痛覚の感覚受容器は全身の至る所に存在しているがその密度は顔は低い。
- 体幹
- 上肢
- 下肢
- 顔
冷温では「冷」が重要とされる
冷の感覚受容器は温に比べると4倍~10倍もの量を誇る。 人間の感覚においては「冷」と「痛」が特に重要視されている模様。これは恐らく「生存の条件」として必須だと考えられる。
圧の受容器
圧点は手掌や顔に最も多く分布するとされている。最も多いとされる「顔」においても痛覚の20%しかない。しかも痛覚は顔における分布密度は決して高くない。それだけ痛覚が人間にとって重要な感覚だといえる。