「病院では難しいかも」「別の可能性を模索したい」
そう感じた患者様が次に悩むのは「院探し」です。民間療法に関しては全くの門外漢であることが殆どですから何を基準にどう選べばいいのかすらわからない。そんな状態にあります。
新卒社員がいきなり会議に入れられた様なものです。何をどうすればいいのか勝手がわからない。
そこで、院選びで実に遠回りをした院長が「あの時の自分にこう伝えたい」と思っている院選びのコツをお伝えします。
是非、ご自身の院選びの参考になさってください。
※本ページは院長も患者側の立場で書いていますので「私達患者」という表記が出てきます。
院選びのコツ1:自分の症状情報を探そう
まず大事なのは自分の症状をその院が得意としているか、経験があるかという点です。ですのでまずは自分の症状についての紹介・解説をしっかりしている院を探しましょう。
自分は坐骨神経痛なのに、HPの内容が「腰痛・肩こり」ばかりだったら流石に不安になります。ある程度の自分と同じ症状への実績があるのか、または自分の症状に対しての見識・見解があるのかを確認してください。
釣り針情報に惑わされないように
ここは注意点です。
自分と同じ症状を得意としてると私達患者は安心します。院長は実際にそれで院選びをしていました。ですが、最近はその患者側の心の導線を逆手に取った「〇〇専門」と謳うキャッチコピーが増えています。これには注意してください。というか見分けがつかないので厄介です。
「腰痛専門」の院HPがあった場合、必ず「肩こり専門」「坐骨神経痛専門」で同じHPを作っていないかをチェックしましょう。体感的には半数以上がその方法を取っています。
商売の為とはいえ、平気で嘘をつく訳ですから技術云々の前に信用すべきでありません。
院選びのコツ2:自分の哲学を語っているか
院長が患者だった時代、衝撃的なHPの謳い文句がありました。
- 「リピート率No1!」
- 「地域でNo1の院!」
- 「医者に見放された人が救われる院!」
恥ずかしながら、当時ヘルニア患者だった院長は心臓を鷲掴みにされたことを覚えています。「もうここに行くしかないでしょう!」と。結果的には大失敗だった訳ですが良い勉強になりました。
今は広告規制が徐々に入ってきたのでこういった強烈なものはなくなっています。ですが似たような内容のものはやっぱりあるのです。
余り書き過ぎると角が立ってしまうので書きませんが、見ればすぐわかります。どの院も掲載する情報が全く同じだからです。
「※これは個人の見解であり、効果を保証するものではありません」
まるで健康食品のCMのような内容が爆発的に増えています。何故なら「今、困っている人の心を揺さぶるから」です。
個人的にはこれはとても恥ずかしい現象だと受け止めています。代替医療に携わる人間がすべきではない。でもそれが今の時代の流れなんですね。
私達患者は「これを飲めばー10㎏!」に飛びつきたくなりますが、その先にあるものを実は理解しています。それと同じで「ここに来れば貴方もこうなれる!」と遠回しに呼び込んでいる内容に心を揺さぶられるよりも
「それより貴方はどんな人でどんな考えでどんな施術をしているの?」
と相手を理解する事に集中をしましょう。
カイロプラクティックに限らず手技療法とは「科学・芸術(技術)・哲学」の結晶です。そのうちの「科学・芸術(技術)」については体系化されています。
この二つの要素を「独自の治療」として編み上げていく要素が「哲学」なのです。この「哲学」無くしてその院・院長は理解できません。
- 何故、院長はこの道を選んだのか
- 何故、院長はそのテクニックを選んだのか
- 何故、院長は施術しているのか
- この院は何の為に存在しているのか
自分の健康と身体を託す相手を探している訳です。最低限でもこれくらいの事は知っておくべきだと思います。逆を言えばこの点が全く無い院・院長は「流れ作業」での業務に慣れている可能性が高いです。考える事すらしていない。そもそもそんな必要が無い。そう考えているのかもしれません。
少なくとも「集客には関係ない」「伝える必要性が無い」と考えている事は間違いないでしょう。それ自体も一つの判断指標となります。
院選びのコツ3:決断は自分でする
院選びの際に「口コミ」に頼る事は多いです。とにかく情報不足から始まりますので下手な広告よりも身近な人の情報の方が圧倒的に信頼感が高い。それは正解の選択です。
但し、最後の決断は「自分でする」という事だけは忘れないようにしましょう。手技療法は「人と人」の世界ですので知り合いにとっては理想の先生だったとしても、自分にとって理想かどうかは全く別です。
どの様な結果になっても「決めたのは自分だ」と自分で責任を取れる気持ちを持って選ぶようにしてください。よくあるのが思う様な結果に至らなかった時に「自分で決めれば良かった」「あの人の言う事を信じたのが悪かった」と相手に責任を被せる思考になるパターンです。
予め予算を決めておこう
手技療法は健康保険が利きません。その為1回当たりの費用が非常に高くなります。「一体幾らくらい掛かるのだろうか」という総額に対する不安を感じる患者様は非常に多いです。当時の院長もその一人でした。
そんな時は自分で舵を取りましょう。
- 3回はとにかく続けてみよう
- 2万円はこの先生用の予算にしよう
といった様に「判断までの区切り」を予め決めておく事が大切です。続けていく価値があるのか無いのか。その判断は自分でして良いのです。先生の言うとおりに通院する必要は全くありません。
ただ、流石に1回で決めるのは余程の場合だけにしておきましょう。1回で相手を理解するのは中々難しい事です。