梨状筋症候群は2010年頃から急に耳にする様になった印象があります。
恐らく「坐骨神経痛」として診断を受けていた患者様のうち、何割かがより細分化して「梨状筋症候群」の診断に切り替わったのではないかなと。
梨状筋症候群は坐骨神経痛を引き起こす1要因です。
坐骨神経痛にお悩みの方で「腰にはそれほど異常が感じれないんだけど」という方は梨状筋症候群の可能性を一度考えてみて良いと思います。
梨状筋症候群とは何か?
まずは梨状筋症候群について一つ一つ噛み砕いていきましょう。
梨状筋症候群とは「梨状筋」が原因で起こる様々な「症候群」です。それだけです。
「坐骨神経痛」が「坐骨神経」への刺激によって起こる「神経痛」である事と同じです。
ですので梨状筋に何かしらの刺激が発生しているという事になります。
梨状筋とは何処にある筋肉なのか?
梨状筋症候群の原因筋となる「梨状筋」ですが、これはお尻の筋肉の内側にあります。
お尻と言えば「大殿筋」が有名かと思いますが、丁度その真下に走っている筋肉です。
梨状筋症候群にならない限りは日常生活で耳にすることはまずない筋肉と言えるでしょう。
梨状筋の役割は何?
大殿筋に隠れて普段は全く関わる事の無い筋肉「梨状筋」。
その役割は「股関節の安定と外旋」です。肩でいうところの「腱板」「ローテーターカフ」のようなものだと考えてください。
梨状筋症候群の発生と梨状筋の働きはそこまで関係がありません。
梨状筋症候群を引き起こす要因は何?
梨状筋が梨状筋症候群を起こす理由は「筋肉の役割」ではなく「位置」にあります。
梨状筋は大殿筋の真下に走っている筋肉ですが、その梨状筋の真下には「坐骨神経」が走っているのです。
つまり梨状筋が収縮・緊張してしまうと真下を走る坐骨神経が圧迫等の刺激を受けてしまい「坐骨神経痛」等の症状が起こってしまうのです。
多くの場合、これが梨状筋による坐骨神経痛の発症プロセスとなります。
だから梨状筋の主な症状は坐骨神経痛となる
梨状筋症候群の多くは梨状筋が真下を走る坐骨神経を圧迫等の刺激をすることで起こる症状一般となります。
坐骨神経が刺激される事で起こる症状は「坐骨神経痛」です。
つまり、梨状筋症候群の主な症状は「坐骨神経痛」となります。
腰に異常が無い坐骨神経痛は梨状筋症候群が疑われる
梨状筋症候群は坐骨神経痛を起こしやすい。
一方で坐骨神経痛を引き起こす疾患は他に色々なものがあります。
ならばその見分けはどうすれば良いのか?
そこで一つの基準となるのは「腰の痛み」等の有無です。
腰痛症、ヘルニア、狭窄症などによって坐骨神経痛が引き起こされている場合は問題は梨状筋よりもっと腰に近い部位に原発箇所があります。
その為、腰周辺にはっきりとした症状が出ている事が多いです。
坐骨神経痛があるにも関わらず腰には特に異常が見られない。
こうした場合は梨状筋症候群の可能性を疑って良いでしょう。