実はヘルニア再発を経験した院長
恥ずかしながら院長はヘルニアの「再発」を30代で経験しました。
仕事も忙しく、そこに子供が生まれた事もあって自分の身体をケアする時間を削って子育てに対応していたのです。
自分の時間を削って子育てをするという事は下記の様な状態を引き起こします。
- 自分の運動時間が無くなる(身体のケアが不可能に)
- 自分のリラックスタイムが無くなる(お風呂・就寝など)
- 自分のリズムが完全に狂う(子供中心の動き)
- 仕事をより効率的にする必要性が出る(子育ての時間を作る為)
- 不自然な姿勢が増える(子育ては姿勢が実に辛い事が多い)
- 継続的な偏った負荷が日常に(抱っこ紐による重心のズレ)
仕事だけなら順調な管理体制だったのですが、子供が生まれるという新たな出来事によってその全てが崩れ去りました。
そんな時に「普通の人より弱くなっていた椎間板」が悲鳴をあげたのです。
目次
- その瞬間はやっぱり「突然」やってきた。
- 「前触れ」はやっぱりあった。
- 経験者は強い。初めとは圧倒的に違い過ぎる
- 腹筋嫌いの僕は、腹筋以外の道を模索してみました
- 結局、腹筋運動は大事だし効果が大きいとわかった。
その瞬間はやっぱり「突然」やってきた。
その瞬間は今でも覚えています。子育てに伴う「腰痛」は自覚していましたが「子育てだけに仕方がない」と考えていました。
相手は小さな赤ちゃんです。自分の都合を押し付ける訳にはいきません。
大人が無理をするのは子育ての定石。という訳で院長も喜ぶ赤ちゃんが見たくて沢山無理をしていました。
「この時間は今しかないんだー!」とばかりに。
そんな日々を送っていたある日、さぁいつも通りに自転車に乗ろうと玄関を開けた時。
「ピキーン!」
腰では無く股関節から始まりました。最初は「股関節を痛めたのかな」と思っていたのですが、何とも言えない嫌な痛みがどんどん太ももの裏側へと伸びていくこの感覚。
「ああ、再発か」
今回はショックというより「ヤツが帰ってきた」とすんなり状況を受け入れる事ができました。
経験値があるってやっぱり大きいです。
「前触れ」はやっぱりあった。
今回ヘルニアが再発するにあたって、その原因は考えれば考える程出てきました。
「克服したからってちょっと油断していたな」と素直に思いました。
そしてここ最近の腰の状態を見直してみるとやっぱりあったのです。「前触れ」と思われる出来事が。
それは宅配便がやってきた時の事。
所用で出掛けようと玄関の廊下を少し小走りしていた時「ピンポーン」とインターホンが鳴りました。その時に慌てて身体を返したのですが「ピキ」と軽く腰がズレた感覚があったのです。
「あ、軽いギックリ腰ぽいな」
と腰の状況はすぐにわかったのですが、それが再発に繋がるとは思いもよらず。
「身体を捻るのは控えないとダメだな」と勝手に学んだつもりになっていました。
それから半月後に再発。
完全に院長の驕りだったと思います。
経験者は強い。初めとは圧倒的に違い過ぎる
再発をした院長は再び歩けなくなりました。
でも歩かなくてもできる事は沢山あって問題はありません。
仕事は自営のようなものなので何とでもなります。収入を気にしなければ。
収入は実に気になりますが、気にして無理して状況を悪化させるよりも「回復に集中して最短復帰」が効率的だと経験則として知っているので切り替えは早かったです。
「よし、今は休もう」
この判断は今でも良かったと思います。
- 自分がしなくてはいけないこと
- 今の自分でそれを行う為の工夫
- 今の自分ができる動きの把握
- 痺れが出てくる状況の再現
患者としてすべき事がスッと出てくるので情報を集めて整理します。
後はひたすら回復に向けての行動です。
この時に「せっかく再発したことだし色々確かめてみよう」と検証実験をする余裕すらありました。
テーマは「腹筋運動以外で腹圧を回復させる事ができるのか」という事です。
腹筋嫌いの僕は、腹筋以外の道を模索してみました
院長は腹筋運動が大嫌いです。
理由は簡単でとてもしんどいからです。クランチすら余り好きではありません。
ですので「できれば腹筋運動はしたくない」と常々思っていました。
ですので「腹圧回復」の基本法の中で腹筋運動以外の方法で改善しないかを試しました。
院長の検証した腰痛・ヘルニア対策
1.長息呼吸法
これだけをひたすら頑張ったのですが、効果は余りありませんでした。
そこで次に取り組んだのは「応用編」です。
2.風船をひたすら膨らませる
これは何かのTVでやっていた腰痛対策法です。長息呼吸法より負荷の高い呼吸運動になります。
これも幾つの風船を膨らませたか思い出せないくらい膨らまし続けました。
一気に膨らませたり、ゆっくり膨らませたり、時には膨らませた状態をキープしたり。
効果はいま一つでした。
そこでせっかくなのでネットや雑誌に載っている方法を手当たり次第に試してみる事にしました。
3.ゴムベルトを巻く
軽いどころかかなりの加圧状態になるのですが「簡単!これで解決!」となっていたので試してみました。
ちょっとしたミシュランマンの様な状態になりましたが、ベルトを取った時の血流の流れ込む感覚はとても感じられましたが腰下の症状には特に変化がありませんでした。
そこで別の方法に移りました
4.インナーマッスル強化
プランクやアームレッグクロスレイズなどに代表されるインナーマッスル強化です。
非常に効果的だという事で取り組もうとしたのですが「痛くてその姿勢が無理」でした。
腰が抜けている状態に近いので体幹を支えられないのです。
これは比較的「元気な状態の人向け」なんだなと身をもって知りました。
本当に辛い人にはこんなの無理です。
そこで別の方法に取り組みました。
5.youtubeのヘルニア・腰痛動画
今、youtubeには沢山の「〇〇体操」があります。その中から「ヘルニア」「腰痛」「神経痛」と銘打った体操を厳選して取り組む事にしました。
結構頑張ってみたのですが「お、これは!」と希望を感じるレベルの変化を出せたものはありませんでした。
この取り組みで気付いたのですが全体的に「説明が大雑把」なので動き自体はわかるのですが厳密にどの部分をどうする事が目的となっているのかがわからず、正しい動きが取れない人の方が多いと感じました。
理解しやすさを優先した結果、本質が伝わらない事に繋がっている気がします。
打てる手は打ち尽くしたと感じたので嫌々ながら腹筋運動に取り組む事にしました。
6.クランチと軽く背筋をすることにした。
背筋をしようと思ったのは安静生活が長い為、筋肉が落ちていると判断したからです。
背筋は「スーパーマン」と呼ばれるうつ伏せから軽く反るだけのものです。後は普通のクランチを2~30回だけ。
変化は2~3日で出てきました。
明らかに腰が軽い。「うぉ、違う」とすぐに感じました。起き上がる動作が異常に軽い。
「やっぱり腹筋大事なのか」とちょっと落ち込みながら捻りも加える事にしました。
7.ツイスト・クランチを加える事に
クランチと背筋の組み合わせで変化が出たので、そこにツイスト・クランチを加える事にしました。
また変化が上書きされました。勿論良い方向にです。
腹筋嫌いの僕が腹筋をなるべく避けて回復しようと足掻いてみましたが、結局は「腹筋」で回復する事ができました。
結局、腹筋運動は大事だし効果が大きいとわかった
今回の検証実験を通して私が素直に感じた事は
結局は腹筋なのか
という事でした。
それくらいに変化の度合いが違い過ぎました。明らかに別物。
でも、これが時間の無駄だったとは全く思っていません。
自分で色々な方法を検証して、結局最も効果的だと思ったものを「腹圧回復の基本」として今は患者様に伝えています。
取り組む人は一気に回復しますし、取り組まない人は回復がやはり遅れます。
身体は働きかけると必ず返事をくれる。
そんな事も改めて勉強させてもらえたと思います