急性期でも温めるという選択が出てきている
炎症を是とする考え方も大分浸透してきました。
今までは急性期は炎症を援護してしまうから温熱療法はすべきでない、とする意見が大半でしたがこれも時代なのかもしれません。
生理現象としては冷やして炎症を抑える事の方が不自然です。温める方が余程自然に近いと思います。
ただ、ぎっくり腰の時にお風呂に入るというアイデアはどうなんだろうか。。。
温熱は良いけれど、お風呂に辿り着ける気がしない。
このギックリ腰の急性期にお風呂で温熱療法するというアイデア。
おそらくギックリ腰を経験していないか、余程軽い腰痛でギックリ腰と呼べないレベルのものしか経験が無い人のアイデアだと思います。
ギックリ腰になると腰から下がグラグラです。首が据わらない赤ちゃんみたいなもので「腰が据わらない大人」になります。
二足歩行なんてとてもじゃないですが重労働となり、トイレに行くのも一苦労、ドアを開けてから便座までがどれほど遠く感じる事か。
男なんてとてもじゃないが立ちながらおしっこができません。
膝に体重を乗せてへっぴり腰で用を足す始末です。
ギックリ腰を通して初めての便座おしっこを経験した男性陣も多いのではないでしょうか。
ウンチなんて力むだけで激痛が走るのでそれもまた一苦労。
更には何とか用を足した後の部屋に戻るまでの道がまた果てしなく険しない。
普通なら数秒で行ける距離なのに、その時だけは果てしなく遠い茨の道と化します。
それがギックリ腰なんです。
そんな状態でお風呂に入ろうなんて余り現実的な意見とは言えないと思うのですね。
- どうやって服を脱げばいいんだろう
- どうやって湯船に入ればいいんだろう。
- どうやって身体を拭くんだろう
- どうやって服をもう一度着るんだろう
実際にギックリ腰を経験した人間からするとエベレストに登頂するくらいに難易度が高いです。
ですので余りお勧めはできません。
血流促進という点では温熱は良い
この場合、お風呂で温浴という点に問題がある訳であって別に温熱療法が駄目な訳ではありません。
別にお風呂じゃなくても小豆カイロ等でも良いと思います。要は温める事が目的なのですから。
急性期は無理に温めなくても患部が発熱している
炎症とは発熱反応ですので、狼煙効果は十分上がっています。ですので急性期にそこまで頑張って温熱に励む必要は無いでしょう。
急性期は安静で患部の熱を奪わない様に過ごす事。
これで十分だと思います。
慢性期は積極的に温めて良いです。
ギックリ腰の慢性期はもうギックリ腰ではありません。慢性腰痛です。
その場合は温熱療法でどんどん温めてあげて良いと思います。身体も動くはずですので湯船に入るのが大変、着替えるのが大変という状況では無いはずです。
しっかり温まって全身に温かい血液を送り込んであげましょう。