○腰痛が慢性化するには理由がある。
日本中で蔓延している「腰痛」ですが、どうしてこんなに皆が困っているのか?
それにはそれなりの理由があります。
その理由は「誰もがわかっているもの」しかありません。
「わかっちゃいるけど・・・・・」 これが慢性化した腰痛の厄介なところです。
○腰痛が慢性化する理由1:運動不足
腰痛が慢性化する原因の中でも、特に大きな要因となるのがこれです。
特に社会人の慢性腰痛の原因は殆どこれです。
1日中会社で座りっぱなしの状態ですので、使う筋肉は極めて限定的。
更にはしっかりと椅子に座らず、お尻と背中で腰を反るような姿勢を取るのが
段々と日常になればもう慢性腰痛を迎える準備は万端です。
背中を反らなくても、猫背になった座り方も要注意。
どちらにしても、腰周辺の筋肉が固まり、運動性は大きく制限されてしまいます。
所謂「腰が固まる」という状態です。
運動不足というと、どうしても 「スポーツ」 「ジムで運動」 といった
キーワードが思い浮かびますが、
実は一番時間を過ごしている「会社」「学校」といった場所での、
この姿勢の固定による「運動不足」が一番厄介なんですね。
○腰痛が慢性化する理由2:飽食
慢性腰痛の原因には「食」も大きく関わってきます。
特に日本はとてもつもなく「飽食」の国となってしまいました。
私達は自分の生活が「世界的に見て異常」だとは全く感じていません。
それくらい、非日常に慣れきってしまっているのです。
「三白の害」とはいったもので、砂糖や塩、小麦の取りすぎ(実質中毒)によって
目に見える肥満といった問題だけでなく、身体の内側の問題まで深刻になっています。
こういった飽食によって、何故「慢性腰痛」が生まれるのか?
それは、「内臓の問題」と「血液循環の問題」が腰痛に直結するからです。
内臓が弱れば、内臓反射で筋肉に影響が出始めます。
血液がドロドロになるなど、血液循環が正常に行われなければ、
内臓に血液がしっかり巡らず、内臓はいつまで経っても弱りっぱなしです。
内臓が弱れば弱るほどに、内臓反射は強く体表へと影響を及ぼします。
しっかり運動をしているのに、どうして腰痛になるんだろうか・・・・
と悩んでいる人に多い、内臓反射からくる慢性腰痛の出来上がり、という訳です。
○腰痛が慢性化する理由3:生活習慣
腰痛が慢性化する三つ目の要因。
それは「生活習慣の乱れ」です。
今の忙しい日本では、誰もが「睡眠時間」を削って色々活動をしています。
実は睡眠って百薬の長と言っても良いくらいに、メリットだらけなんです。
私達が持っている自然治癒力は夜、寝ている間にフル稼働しています。
所謂「副交感神経優位」の状態です。
昼間の疲れ、身体の歪みを綺麗に取り除くのは、まさに眠っている間なのです。
その最大の回復期を私達は自ら失っています。
これでは、前日の疲れが取れるはずがありません。
毎日毎日の小さな積み重ねは、やがて大きな慢性腰痛となって身体に居座ります。
○上記3つを改善したら大概は問題無い。
腰痛が慢性化する理由、ご理解いただけましたでしょうか?
もちろん、実際の腰痛はもっと細かい、個人レベルの問題も多く含んでいますが、
多くの場合、上記3つの共通項が見られます。
言い換えると、上記3つを改善していく事によって、自分で自分の慢性化した腰痛を
克服する事は十分に可能なのです。
ですが、とても忙しい、時間に追われる今の日本では、中々そういった事に
時間を割くことができません。
遊びたい、飲みたい、食べたい、
世の中に誘惑が多すぎて、自分を律する事ができないのです。
だから、慢性化した腰痛は日本に居座っているのです。
○最近は「ストレス」による腰痛も増加傾向。
腰痛の慢性化には「ストレス」が大きく関わっている。
これは、2,000年に入ってから、少しずつ話題にあがるようになり、
2010年頃にはすっかり市民権を得る理論となりました。
いわゆる「自律神経系の問題」となります。
職場の人間関係や、地域社会での人間関係など、切っても切れない場所で
ストレスを抱え込んでしまうと、常に「交感神経優位の状態」となってしまいます。
所謂、「気持ちが常にピリピリしている、神経質な状態」です。
この状態では、筋肉は常に緊張し、神経も過敏になっていますので、
身体はとても疲れやすくなります。
こんなとき、真っ先に症状が出てくるのが「腰」「肩」「首」「頭」です。
「痛いわけではないが、重だるい。こる。」
まさに慢性症状そのものです。
これは、ストレスから身を遠ざけるのが特効薬なのですが、
そうも言ってられないのが今の日本です。
だから、いつまで経っても「慢性腰痛」が無くならないのかもしれません。
○結論:腰痛の慢性化の多くはコントロール可能。
コントロール可能なんだけど、コントロールできない。
これが実際のところだと思います。
食べたいものを食べたい。
行きたいところに行きたい。
好きな時に好きな事をしたい。
これができてしまうのが今の日本だからです。
腰痛の慢性化の多くは、「贅沢病」といっても良いと思います。
おそらく「現代病」と呼ばれる症状・疾病の多くは「我侭・贅沢病」です。
そして、最も厄介なのは「それを贅沢・我侭だと感じない。普通だと感じる」
という点なのです。
自分が当たり前のように過ごしている日常が、実はどれだけ非日常的なものか。
そこから気付かなくてはいけない「時代」なのかもしれませんね。
でも、それが一番難しい。
だから、慢性化する腰痛は増える一方なのでしょう。