インナーマッスル強化:運動療法
腰痛改善には腹圧強化が早い!インナーマッスルで腰痛改善!
慢性化した腰痛改善の最短の道。それは今も昔も「腹圧強化」です。
色々な腰痛改善の方法も遠からず「腹圧強化」に関わるものが多く、腰痛改善という山の頂には「腹圧」というモニュメントがあるのではないかと思います。
そんな腰痛改善の本丸である「腹圧」にド直球で挑もうとするのが「インナーマッスル強化」です。
腹圧に関わる筋肉を直接トレーニングする事によって手っ取り早く腰痛改善を図ります。
効果は1~2週間で出てきますが、トレーニングなので余り楽しくないのが欠点です。
インナーマッスル強化の働きについて
腰痛改善の直球モデルであるインナーマッスル強化ですが、そのトレーニングの働きについて解説をします。
- 腹圧に関わる筋肉を強化する
- 主に抜けやすい腹筋側の強化
- 腹横筋の強化
- 外腹斜筋の強化
- 内腹斜筋の強化
- 骨盤底筋の強化
- 腹直筋上部の強化
- 腹直筋下部の強化
- 大腰筋の弛緩と強化
- 横隔膜の強化
- 重心が正常化
これがインナーマッスルによる腰痛改善の働きです。
基本的に誰もが敬遠したがる「腹筋」が中心となりますので最初は余り楽しくないでしょう。
でも、効果は一番ドンピシャです。
インナーマッスル強化の効果について
インナーマッスルを強化する事によって身体に感じれる効果は何か?ここで解説をしていきます。
- 腰が軽くなる (腹圧再構築)
- 身体が軽くなる (腹圧再構築による重心の正常化)
- 下半身が軽くなる (重心の正常化)
- 足が軽く上がるようになる (腹圧の再構築)
- 上半身が軽い (腹圧の再構築)
- 呼吸がしやすい (重心の正常化)
- 歩くのが早い・軽い (重心の正常化)
基本的に腹圧の再構築はそのまま重心の正常化へと繋がります。
重心が正常化する事によって上下左右前後の筋肉のバランスが整いますので、身体がとても軽く感じられます。
これは不要な緊張が抜け、弛緩部に適度な緊張が戻ってくるからです。
つまり、腹圧の調整を通して人間の本来のバランスが整うという事ですね。
インナーマッスル強化の方法
ここではインナーマッスル強化についての説明をします。インナーマッスル強化には部位別で沢山の方法があるので、ここでは代表的な方法を説明します。
1.長息呼吸法:腹横筋と横隔膜
腹圧の主役となる「腹横筋」を鍛えるには長息呼吸法がベストです。
しっかり肺の空気を出し切り、目一杯空気を肺に入れる事で腹横筋も横隔膜も目一杯使いましょう。
しっかり筋肉を使えば使うほどに、慢性腰痛の改善効果は高まります。
2.V字バランス:大腰筋と腹直筋
慢性化した腰痛の大きな原因が「大腰筋の緊張」です。
多くの施術家の方が「大腰筋が腰痛の主犯」として主なアプローチ先に設定していると思います。
大腰筋を緩める事も腰痛対策としては大切ですが、一方で「正しい使い方」で大腰筋をしっかり使う事も大切です。
そこで、V字バランスによって弱っている腹筋を使うのと同時に、正しく使われていない大腰筋をしっかり使いましょう。
最初は辛い運動ですが、返ってくるものがとても大きい運動でもあります。
3.捻りの腹筋:外腹斜筋と内腹斜筋
外腹斜筋と内腹斜筋とは「斜めを担当する腹筋」ですが、ここを使っていない人が非常に多いです。
腰痛患者様だけでなく、腰痛予備軍の方も殆どがこの筋肉を使えていません。
逆を言えばここの筋肉を使えるようになれば、腰痛改善の大きな一歩となります。
使い慣れない筋肉なので最初は大変でしょうが、これも返ってくるものが大きいので外せないインナーマッスルです。
4.30度腹筋:腹直筋(主に上部)
これは基本の腹筋、腹直筋ですね。
腰痛を持っている患者様はこの腹筋が抜けているか「ここしか使っていない」のどちらかになります。
肥満傾向の高い方は「抜けている」タイプが多く、肥満ではない方は「ここしか使っていない」タイプが多いです。
腹直筋を鍛えるには写真の通り30度程度の傾斜で十分です。ここから先は大腰筋など股関節の筋肉が運動に介入してきます。
ですので軽い腹筋を30回程度こなしてしっかり使ってあげましょう。
5.ヒップ上げ:大臀筋
腰痛対策のインナーマッスル強化では余り注目をされないのが「大殿筋」なのですが、当院では大殿筋のトレーニングも大切にしています。
大腰筋の拮抗筋である大殿筋は「大腰筋による腰痛」にも大きくかかわります。
大腰筋が緊張している状態では弛緩状態にある筋肉ですので、大腰筋と大殿筋の両方をしっかり刺激して正常なバランスを取り戻しましょう。
インナーマッスル強化についての質問
ここでは腰痛改善の為のインナーマッスル強化に寄せられる質問に答えます。
Q:インナーマッスル強化は筋トレと考えていいの?
A:「鍛える」よりは「使う」事に注意を払いましょう。
インナーマッスル強化はトレーニングではありますが、腰痛改善を目的とする場合は「鍛える<使う」という点に注目をした方が効果的です。
腰痛の原因の多くは「使う筋肉が限られている」為に「使わない筋肉が働かなくなっている」という実に不安定な状態にあります。
そのアンバランスを整える為のインナーマッスル強化ですので、ムキムキにするのではなく皆がしっかり仕事をするように引き戻すことが目的です。
ですので、高負荷で取り組む必要もなく、自重を中心に適度な刺激を入れておくだけで十分な腰痛改善がなされます。
Q:インナーマッスル強化は毎日した方が良いの?
A:運動習慣としては毎日が理想です。
鍛える目的のトレーニングであれば2~3日に1回の割合がベストです。超回復の理論ですね。
ですが、あくまで「筋肉を使う」事を目的としている場合は毎日した方が良いです。
一番良いのは寝起きの朝に軽く刺激を通すこと。1日の始まりに刺激を入れると元気で過ごせます。
寝起きは筋肉が緩んでいる状態ですので腰痛が起こりやすいタイミングでもあります。
腰痛改善だけでなく腰痛予防の為にも朝に軽くインナーマッスル強化を行うのは正解の一つです。