「痛みの改善」「姿勢の改善」等は重心バランスの調整でついてくる。
- 「痛いところを何とかしよう」
- 「ゆがんだ姿勢を何とかしよう」
当院でも昔はこう考えて取り組んでいた事がありました。
ですが、そう考えれば考える程に「患者様の申告箇所」に意識が集中してしまい、また一方で「鏡に映る姿勢」「横から見た姿勢」等の立ち姿にばかり意識が集中してしまい、結果が伴わないケースが多くなりました。
- 「患者様の申告箇所の痛みは取れたけど、他に違和感が残っている」
- 「何をやっても痛みが取れない」
- 「姿勢は綺麗になってるけれど、患者様自身の感じる違和感は残っている」
- 「何をやっても姿勢が崩れたまま」
この様な事が増えたのです。
- 「肩が痛いという患者様の肩の痛みを取るだけではダメなんだ」
- 「肩が痛いからといって肩にアプローチしても意味が無い事もあるんだ」
- 「姿勢を良くしたい人の見た目の姿勢を整えるだけではダメなんだ」
- 「姿勢を良くするには歪みだけを意識していても駄目なんだ」
この状態を繰り返すことで、当院はようやく大事な点に気付けたのです。
「患者様が求めているのは身体全体の快適さ」
なんですね。
問診で出てくるのは「一番嫌な部分」の情報であって実は他にも色々な「嫌な部分」が隠れている。それをバランス良く取り除いて初めて患者様は「身体が戻っている」と感動をしてくれる。
それが「健康を取り戻す」という事なんだと。
そして、その為に必要なものが「痛みを起こし、姿勢を崩している何か」へのアプローチであり、その「何か」こそが「重心バランスの崩れ」だったという訳です。
崩れた重心バランスを整える事で身体全体は「元に戻ろう」と自力で動き始めます。
長年の重心の崩れによって固定を起こした関節に動きを与え、筋肉のバランスを調整してあげるという「身体の自力回復のサポート」こそが当院の施術の本質です。
そして、それは「重心バランスの調整」という具体的な手段となっています。
本来の「身体の動き」を感じてください。
当院に来院される患者様は「崩れた重心」が普通となってしまい、人間本来の運動性を失っています。
「普通ではない状態を普通と感じている」状態なのです。
これは人間が持つ極めて優れた「代償能力」であり「順応力」なのですが、本来の動きができないのは非常に勿体ない事です。
- 出せる力を出せていない
- 関節の動きが制限されている
- 筋肉のバランスが崩れている
これは「単純に80%の出力に抑えられている」という程度のものではありません。それなりに深刻な問題を内包しています。
問題1:使わない筋肉はどんどん衰える
廃用性症候群・廃用性萎縮という言葉をご存知でしょうか?
長い入院生活による「寝たきり」から起こる筋肉の著しい減少なのですが、これに似た現象が身体に起こります。
重心バランスの崩れによって
- 「使う筋肉」
- 「使わない筋肉」
- 「使えない筋肉」
等が生まれます。
「使わない筋肉」と「使えない筋肉」は収縮の機会を失っていきますので、脳は「必要の無い筋肉」と判断をして分解を始めてしまうんですね。
人間の身体は「使って維持する構造」です。使わない状態はそれだけで不自然なんですね。
その結果が「廃用性症候群」という訳です。
問題2:動かない関節は固まっていく
日本で今大問題になっている関節疾患の原因がこれです。「動かない関節が固まっていく」事で起こります。
- 変形性股関節症
- 変形性膝関節症
- 変形性肩関節症
等ですね。
本来の動きを制限された関節が「制限された運動」を「崩れた重心」の状態で続ける事によって何が身体に起こるのか。
関節の限定された部位に負担が集中し、組織が損傷し、場合によってはその状態に適応する為の「骨棘」が生まれたりします。
身体が「崩れた重心」と「制限された関節運動」を標準のセットポイントとしてしまう事で起こる疾患です。
これは元に戻すのは非常に難しいです。身体にとっての「基準地点(セットポイント)」が変わってしまった状態になるからです。
セットポイントが変わり、関節を形成する骨の構造自体が変形して変わってしまうと多くは手術適用となります。
そうならない為にも、日頃から関節はしっかり「設計図通り」に使う事が必要であり、その為にも「重心バランス」を整えておくことが重要になります。