バランスは常に取れている
違いは
「本来の形」か「歪んだ形」か。
バランスを戻すのではない。
本来のバランスを取り戻すのだ。
狙いは「歪んだ支え合い」から解放する
当院の施術には様々なテクニック、ルートが設定されていますが、その目的地は「同じ一点」です。
どんな施術ルートを通っても、どんなテクニックを使用しても、最終的な目的地は同じです。
それは「重心を正常に戻す」という事。
「正しい姿勢を取り戻す」
という表現をされている院も多いですが、それに近いと思います。
結局、目指すところは同じだと思うんですね。
違いが出るのは「どう戻すか」というアプローチの部分ではないかと。
当院のアプローチについて
当院のアプローチ法は基本的に4つです。
この4つの調整を「施術ルート」と「テクニック」を組み合わせて行っていきます。
患者さんの職業上の特徴であったり、季節によって「施術ルート」と「テクニック」は変わる事もありますが、基本的に目的は「重心を整える」という点に変わりありません。
重心位置を崩している要素を順にほどいていく施術となります。
1.筋バランスの調整
これが当院の施術における基本となります。
重心が偏っている状態ですと、筋肉のバランスが上下左右前後とバラバラに崩れています。
右手は力が入るのに、左手は全然入らない
こんな状況にあるのです。
この状況では筋肉の張力が平衡を保てていませんので、緊張している筋肉、弛緩している筋肉が不自然に混在しており、不安定な中で頑張って安定を作っている状態です。
いわゆる「代償作用」であったり「不自然の自然」と呼ばれる状態ですね。
これでは身体が抱えている「本命の問題点」が身体の奥に隠れている状態ですので、まずはこの表層の筋肉のアンバランスを調整します。
また、所々でストレッチ的な調整も行います。
この調整で見せかけの骨格変位が取れる事が多いです。
2.運動神経のバランス調整
筋肉のバランス調整と重なる部分が多いですが、筋肉のバランスを整える過程で、患者さん自身がしっかり筋力をバランス良く発揮できるように調整をします。
筋肉のバランスは外からの働きかけでも取れますが、筋力の発揮は神経系の問題ですので、患者さんの協力が必要です。
この神経のバランス調整によって、バランスの整った筋肉が元の歪みに戻りにくくなります。
3.内臓の調整
重心位置が崩れている患者さんの多くは、不定愁訴や慢性症状を抱えています。
そして、重心位置が崩れている患者さんの多くは、内臓に元気がありません。
上半身の体重と重力の圧を直接受けて、小さく小さく腹腔の中に縮こまっているケースが多いです。
そこで、重心位置を戻していく過程で、縮こまった内臓を元の位置へと戻す調整も行います。
いわば漬物石が取れる事によって内臓そのものの機能が改善される事も多いですが、腹圧が改善される事によって身体が一気に軽くなるのを実感される方が多いです。
4.関節の矯正
筋バランス、神経バランス、内臓の調整が終わった後、必要がある場合に限り「関節の矯正」を行います。
見せかけの変位である場合、ここまでの段階で基本的には変位は無くなっています。
ですので、この段階で再度触診を行い脊椎の状態を確認します。
動いているのであれば問題はないですが、ここで「全く動かない」骨が出てくる時があります。
これが矯正対象となるフィクセーション(固定した骨)です。
- 最初の触診時にあったものが残っている
- 最初の触診時になかったものが出てきた。
いずれの場合もありますが「動かなくなっている骨」は脊柱の連動する「しなり」においてブレーキポイントとなりますので、僅かでも「動く」ようにしてあげる必要があります。
ですので、基本的には矯正を行いますが、どうしても矯正は避けたいという患者さんの場合は「矯正以外」のテクニックで動きをつけていきます。
最終的に身体にどう変化が起こっているか。
全4工程の施術が終わった時点で、身体にどのような変化が起こっているのか。
それは患者さん一人一人で感じ方が変わってきます。
単純に「痛みが取れた」「痛みが軽くなってる」という感じ方もありますし、
- 背筋を伸ばせる
- 身体が軽い
- 身体が良く動く
- 足が地面にぺったり着いている
- 歩くスピードが速くなってる
- 階段で足が勝手に上がる
といった感じ方もあります。
ここで大切にして頂きたいのは
「痛みが残っているかどうか」ではなく「身体がどこまで自由に動かせるようになったか」という事です。
- 重心位置を戻すという事がどういう事か。
- 筋バランスを整えるという事がどういう事か。
- 内臓を調整するという事がどういう事か。
- 神経を調整するという事がどういう事か。
人間の身体の不思議に少しでも興味を持ってもらえたらと思います。
そして、一番大事な事である
「できなくなっていたことが、今はできるかどうか」
という点もしっかり考えてみましょう。
「これならできるかも」
と希望が持てる状態に戻っていれば、回復への道が開けたという事です。