状況に応じて「手技」と「道具」を使い分けます。
カイロプラクティックにおける最大の道具は「手」です。
これは間違いありません。
ですが、中には「手技」そのものは良くても「矯正だけは嫌」という方もいます。
そういう方の為に「手技」には劣るものの、「手の代わり」としての「施術具」をご用意しています。
当院はカイロプラクティック院ですが、手技による関節アジャスト以外にも色々な代替策を用意していますのでご安心下さい。
道具1:手
道具としてのパラメータは最高です。
検査器具としての能力、施術具としての能力も抜きんでています。
ですが、手の唯一の欠点は「患者さんの気持ち」で効果の範囲が大きく振れること。
患者さんが不安や怖さで緊張をしている場合、技術がどれほど優れていたとしても、手の効果は半減します。
これは「力の施術」を受けられた方に特に顕著です。
矯正の準備段階で体が緊張してしまうのです。
手技療法家の「手」は患者と施術者の信頼関係が成り立って初めて最大限に効果を発揮します。
その為、当院では初診の段階で矯正(特に頸椎)を行う事は稀です。
道具2:ブロック
SOTテクニック、ソフトカイロといった言葉で表現されることが多いテクニックです。
仙骨と後頭骨の歪みを整え、脳脊髄液の循環を整えるのが本来のテクニックとなるのですが、当院では主に骨盤を調整する場合に利用します。
うつ伏せになっている状態でブロックを差し込み、重力と体重によってゆっくりと歪みを整えていく「待ち」のテクニックと言えるでしょう。
横向きの姿勢から、ガシャーンと施術家に乗っかられた(強いボディドロップ)経験のある患者さんに特に好評のテクニックです。
道具3:橋爪マット(ランバージョイントマット)
京都伏見区でカイロプラクティック志塾を開講されている橋爪先生が開発されたオリジナルのマットです。
日本全国にぎっくり腰患者を生んだという、牽引主体の「コックステクニック」をより安全に提供する為に開発されました。※コックステクニックが悪いのではなく施術側が未熟だった為。
ブロック同様に重力と体重を利用した牽引マットになりますので、コックステーブルの様な「機械的に引っ張られる」感覚ではなく、「伸ばされる」感覚のソフトな調整になります。
「マットの上で寝てるだけ楽になる」
中高年の方からはこんな言葉も良く出てきます。
ちなみに、施術で使う場合は手技も複合的に組み合わせます。
道具4:ニュートンベッド
逆さづり牽引機です。
見た目はゴツイですが、することはシンプルで「脊椎全体の牽引」と「下垂した内臓の引き上げ」となります。
こちらも「重力」と「体重」による働きかけになりますので、見た目とは裏腹に非常に安全なものとなっています。
腹部の重心位置がかなり上方に移り、身体が軽くなるのを実感し易い施術具といえるでしょう。
重心位置の大切さを自覚してもらう為にも優れた道具だと思います。
※足首の関節が弱い方、高血圧の方等は使用ができません。
道具5:Thumper(パーカッション型)
日本には珍しい「叩き系(パーカッション)」のマッサージ器になります。
日本に多い「バイブレーション(振動型)」や「スライド(横滑り型)」に比べて、より深く振動が浸透する為、筋肉がしっかりとほぐれます。
海外ではこのパーカッション型マッサージ器で筋肉をほぐし、関節を矯正するという形が多いそうです。
当院ではピンポイントでの使用ではなく、施術の流れの中での活用をしています。
体育会系の学生さんや、企業アスリートの方等には特に好評で自分用にと購入される方も多いです。
道具6:温熱パッドなど
色々な温熱パッドです。自作の物もあります。
乾式ではなく湿式のものだけを使用しています。
基本的に「内臓が冷えている」人が多いですので、しっかりと内臓を温めて血流を促進させる目的で使います。
お腹や首、背中などをピンポイントで温める院は多いと思いますが、当院の場合は「幕の内温熱」ともいうべきもので、
背中・お腹・首・目 全てを同時に温めます。
その際は部屋も薄暗くしますので、寝てしまう人が多いです。
患者さんの目的は「元気になる事」である。
我々施術者はその山頂に向けての多くの登山道を持つべきだ。
そんな人の為に「手の代わり」になってくれる道具を色々と準備しています。
効果は手には遠く及ばないものの、しっかり変化はだしてくれる。
手はこれらの道具の全てをこなす。
フェイントでドヤ顔をする人もいるが、患者としては不本意な形。
効果は出るかもしれないが、信頼関係にはヒビが入る。
ああ、この先生は自分のやりたい事をするんだ。
私の意思を尊重してくれないんだ。
複雑な気持ちになる。