9.脳脊髄液(CSF)
- 脳室の脈絡叢から分泌され、各脳室を満たす。
- 脊髄内の中心管を満たす。
- くも膜顆粒を通して、硬膜静脈洞へ吸収される。
- 脳脊髄液は無色透明
- 常に120-150mlに全量が保たれる。
- 1日に3~4回入れ替わる。
- 脳、脊髄を外力から保護し、リンパと同様に栄養を補給し、排出物を運び去る。
- 頭蓋腔内の出血、炎症などの際、脳脊髄液の内圧に変化が起こる。
- 腰椎穿刺検査で脊髄液の圧を検査する。
10.脳の血管
- 人体の中で最も活発な代謝活動を営む器官
- 重さは体重の2%
- 全身の酸素消費量の約20%
- 心拍出量の15%の血流を消費する。
- 血液供給が僅かでも滞ると、大きな障害が残る。
- 内頚動脈と椎骨動脈の左右対の4本の動脈が栄養血管
1.内頚動脈
- 頸動脈管を通って頭蓋腔へ入る。
- 前大脳動脈/中大脳動脈を出して、脳の前3/4を栄養する。
- 後交通動脈を出して後大脳動脈とも吻合する。
2.椎骨動脈
- 頸椎の横突起を上行、大後頭孔から頭蓋腔へ入る。
- 橋の下面で合して1本の脳底動脈となる。
- 脳底動脈は左右の後大脳動脈に分かれる。
- 椎骨動脈は後ろ1/4を栄養する。
3.大脳動脈輪
- ウィリス動脈輪
- 大脳動脈輪
- 前・中・後の各大脳動脈が前・後の交通動脈を介して吻合する。
- 内頚動脈/脳底動脈
【備考】くも膜下出血
- 脳の動脈の本幹はくも膜下腔を走る。
- 出血の際、血液はくも膜下腔へ広がる。
【備考】脳出血
- 大脳の広い範囲に血流を送るのは「中大脳動脈」
- 中大脳動脈の更に奥の「レンズ核線条体動脈」が出血・閉塞しやすい。
- その場合、半身不随の症状が残る。
- 脳出血の約70%は中大脳動脈・レンズ核線条体動脈からの出血。