ざっくり言うと
- 腰痛は「ヘルニア」「狭窄」の2パターン。
- 痛みの正体は「髄核」にあり。
- 安静のし過ぎは回復を遅らせる。
- 腰痛予防の3秒体操
腰痛の代表格は「ヘルニア」と「狭窄症」
腰痛と呼ばれる症状の代表格は「椎間板ヘルニア」と「脊柱管狭窄症」に分けられるとの事。
分類の根拠となるのは、我々腰痛患者にはお馴染みの
- 「前屈みで痛くなればヘルニア」
- 「後ろに反って痛くなれば脊柱管狭窄症」
というものでした。
個人的には上図イラストの「脊柱管狭窄症」の方で、「骨が変形して脊柱管が狭くなる」という解説はちょっと大雑把過ぎないかな?と感じました。
痛みの正体は「髄核」にあり。
個人的に一番関心が高かったこのキャッチ。録画を決めたのもこのキャッチでした。
「どんな新発想なんだろう」というより「どんな論理で髄核が登場するのかな?」という関心です。
「髄核が中心からずれて、組織を圧迫する」
その通りです。その結果、椎間板がはみ出て組織(靭帯や神経)を圧迫してしまう訳ですから。
元々は中心にいた髄核が。。。。。
前に重心がかかってしまうと、前が押し潰されて後ろにジュルン!と逃げてきます。
水風船なんかがそうですね。前を握ると後ろが膨らみ、水はニュルン!と逃げていきます。あ、風船でもそうかw
この説明用の道具、純粋に欲しい。。ジュルン感が物凄く良かった。
「髄核が痛みの正体」という理屈の流れは以下の通りです。
- 椎間板内で内圧が変化する。
- 内圧変化によって「髄核」が移動する(押し出される)
- 押し出された「髄核」が組織を圧迫する。
- 圧迫された組織では「炎症」が起こり痛みが発症する。
- これが「痛み」の正体だ!
となります。
「髄核」を「椎間板」に置き換えてもさほど問題は無いかな・・・と思います。
ぎっくり腰のメカニズムも基本的には同じ。
今度は同じ様な図を使って、ぎっくり腰の発症するメカニズムの解説です。
ちなみに、厚生労働省発表のデータによれば、ギックリ腰の発症の瞬間ベスト3は
- 荷物を持ち上げた時
- くしゃみをした時
- 洗顔・歯磨きで腰を屈めた時
だそうです。
話を戻してギックリ腰の発症メカニズムです。
①例によって椎骨が前荷重となります。 (腰を丸める動作です)
②内圧バランスが崩れて前から後ろへと押し出す圧が強くなります。当然、髄核は後ろへジュルン!です。
④圧が強くて後方の軟部組織を傷つけると、痛みが発症します。
⑤髄核が軟部組織を突き破ってしまったら完全に「ヘルニア」です。それも重症度が高くなります。
つまり、ギックリ腰も、椎間板ヘルニアも、本質的には余り変わらないという事です。
椎間板にかかる圧力は凄い。
椎間板にかかる圧力検査という素敵な実証実験がされていました。
体重58kgの人によるデータです。
クシャミをした時の椎間板に働く圧力=157kg(体重の約3倍)
「10kgの荷物を持ち上げた時」に働く圧力=290kg(体重の約5倍)
この凄まじい圧を避ける為に何をしたら良いのか。
- テーブルに手をついてクシャミをする。
- 背筋をまっすぐにして、荷物を持ち上げる。
テーブルに手をついてクシャミをした時の圧力=38kg(体重の約1/4)
背筋をまっすぐにして持ち上げた時の圧力=166kg(約-130kg軽減)
このような結果になっています。これは「重心」の工夫だと思ってください。後、キネティックチェーンも。
安静のし過ぎは回復を遅らせる!腰痛予防の3秒体操
この論理、実は整体業界では何十年も前からそう言われていたものの、「安静が一番だ」「医学的根拠が無い」とボロカスにお医者さんに言われていたという。。。
決して医学的根拠が無い訳ではなく「廃用性筋萎縮」の観点からの主張だったと思うのですが、「それと腰痛とは別問題だ」という事だったのでしょうか・・・
時々、西洋医学は東洋医学の追認を科学的にしているみたいだなと思うときがあります。
これは是非の話ではなく、東洋医学は「人間という生物」を全体的に良く捉えているなぁ。。。とシミジミ感じてしまうだけです。
さぁ、本題の「3秒体操」です。新しい体操が最近はバンバン出てきています。
「ずれた髄核を真ん中に戻す」という体操。マッケンジーエクセサイズに近い概念ですね。
「息を吐きながら、身体をそらした状態で3秒保つ」
立ってマッケンジーエクセサイズをしている感じです。
「おへそを背中につけるイメージで息を吐く」
これは腹式呼吸、ドローインですね。頑張りすぎて、背中がグキン!といかないか少し心配です。
何かエグザイルぽくていいですね。
以上、2015/4/11(土)MBS Dr.プラス:名医が力説!国民病腰痛の新常識でした。
有用な情報満載でしたが、新常識では無いかなと思います。