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「ヘルニコア」(一般名コンドリアーゼ)が登場した!

薬理作用

正常なウサギにコンドリアーゼを椎間板内投与すると、椎間板内水分含量の低下及び椎間板高の狭小化が認められた[6]

正常なヒツジにコンドリアーゼを椎間板内投与すると、椎間板内圧最低値の低下及び椎間板高の狭小化が認められた[7]

椎間板ヘルニアを罹患したイヌにコンドリアーゼを椎間板内投与すると、臨床症状(姿勢反応、脊髄反射及び患部の疼痛)の改善が認められた[8]

作用機序

コンドリアーゼは、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン及びヒアルロン酸の分解作用を示し、椎間板髄核中におけるグリコサミノグリカンを分解して髄核の保水能を低下させ、椎間板内圧を低下させることによりヘルニアの臨床症状を改善すると考えられている。

 

画像上ヘルニアによる神経根の圧迫が明確であり、腰椎椎間板ヘルニアの症状が画像所見から説明可能な患者にのみ使用すること。

本剤は異種タンパクであり、再投与によりアナフィラキシー等の副作用が発現する可能性が高くなるため、本剤の投与前に十分な問診を行い、本剤の投与経験がない患者にのみ投与を行うこと。

変形性脊椎症、脊椎すべり症、脊柱管狭窄症等の腰椎椎間板ヘルニア以外の腰椎疾患を合併する患者、骨粗鬆症、関節リウマチ等の合併により椎体に症状が認められる患者の場合は、本剤投与により腰椎不安定性が強く認められるおそれがある。これらの患者において、合併症が原因で症状が認められる場合は、本剤の有効性が得られない可能性があるため、本剤のリスクを考慮し、症状の原因を精査した上で、本剤による治療を優先すべきか慎重に判断すること。投与を行った場合には、患者の状態を慎重に観察すること。

20歳未満の患者に対する有効性及び安全性は確立されていない。また、成長期の患者では、成長板が閉鎖していないため、本剤投与による成長板の限局性欠損により、腰椎不安定性を誘発するおそれ、本剤投与による軟骨層の骨化により、軟骨細胞の増殖が抑制され、椎体の伸長が阻害されるおそれがあるため、投与の可否を慎重に判断するとともに、投与を行った場合には、患者の状態を慎重に観察すること。[9.その他の注意(1)参照。]

本剤の投与は、腰椎椎間板ヘルニアの診断及び治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで行うこと。また、椎間板穿刺に熟達した医師が投与すること。

本剤の投与に際しては、ショック、アナフィラキシー等の発現のおそれがあるので、救急処置のとれる準備をしておくこと。投与終了後も十分な観察を行い、症状が発現した場合には直ちに適切な処置を行うこと。

本剤投与により椎間板が変性し、生体力学的バランスの異常をきたし腰椎不安定性が発現するおそれがある。本剤投与後は、腰椎不安定性に伴う症状の発現の有無を十分に観察するとともに、腰椎が安定化するまでの期間は、過度な運動や腰に過度の負担がかかる動作(重量物を持ち上げる等)を避け、コルセット等の装具療法の併用を検討すること。

本剤投与後にアナフィラキシーや腰椎不安定性が発現する可能性があること、並びにその徴候や症状について患者に十分に説明し、異常が認められた場合には、速やかに担当医師に連絡するよう、患者を指導すること。

全身麻酔下での投与は、穿刺針の神経根への接触に伴う放散痛等を感知できず神経を損傷する可能性や、アナフィラキシー等が発生した場合に発見が遅れるおそれがあるので推奨されない。

 

国内第II/III相試験及び第III相試験において、本剤が投与された229例中122例(53.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、腰痛51例(22.3%)、下肢痛11例(4.8%)、発疹等6例(2.6%)、発熱4例(1.7%)、頭痛3例(1.3%)であった。主な臨床検査値異常は、Modic分類の椎体輝度変化a)54例(23.6%)、椎間板高の30%以上の低下b)33例(14.4%)、好中球数減少6例(2.6%)、5°以上の椎間後方開大b)5例(2.2%)であった[1][2]。(承認時)

a)MR画像異常

b)X線画像異常

本剤は異種タンパクであり、ショック、アナフィラキシーがあらわれるおそれがあるので、投与終了後も観察を十分に行い、異常が認められた場合は、直ちに適切な処置を行うこと。

高齢者では、一般的に加齢による椎間板の変性により髄核中のプロテオグリカン含量が低下していることが知られている。そのため、本剤の治療効果が得られない可能性があることから、投与の可否を慎重に判断すること。

高齢者に対する安全性は確立されていない。[70歳以上の患者に対する使用経験がない。一般に高齢者では軟骨終板が菲薄化しており、椎体の変性が発現する可能性が高まる。9.その他の注意(2)の項参照。]

国内第I/II相試験においてコンドリアーゼ10単位(本剤の8倍量)を単回投与した6例中2例に腰椎の異常可動を伴う椎間後方開大(腰椎不安定性)の副作用が認められた[3]。腰椎不安定性に伴う症状の発現の有無を十分に観察するとともに、腰椎が安定化するまでの期間は、過度な運動や腰に過度の負担がかかる動作(重量物を持ち上げる等)を避け、コルセット等の装具療法の併用を検討すること。

 

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