便秘でお悩みの方へ
早ければ10代、20代から悩む方が出てくる便秘ですが、男性でも高齢になってくると便秘に悩まされる方が増えてきます。
- 女性は年代問わず起こる。
- 男性は高齢者に多い。
それが便秘です。
来院される方の中にも便秘に悩まれている方は多い様です。 そこで、今回は当院が患者様に提案している便秘対策・便秘解消法について紹介をしたいと思います。
≪基本編≫大便(うんち)を学ぶ
便秘に悩み、便秘を何とか解消しようと頑張る患者様の多くは、そもそもの大便というものを「うんち」という以外の概念で理解をしていません。
その為、乳酸菌やヨーグルト等の食品を摂取して何とか便秘を解消しようと頑張っています。
それ自体は決して間違っていないのですが、「少し惜しい」のです。
便秘解消に頑張って取り組んでいるのに、中々結果が伴わない患者さんの特徴は「順番を間違えている」というものです。
- 後回しで良いものに真っ先に取り組んでいる
- いち早くすべきことを後回しにしている
このパターンがとにかく多いです。
「間違ってはいない、だがしかし惜しい!」という状況なんですね。
そこで、当院では本当に便秘を何とかしたい人には、「大便(うんち)」の一連の流れを学んでもらいます。
「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」です。
うんちはデトックスの主役
「うんち」は人間が持つ最大最強のデトックスです。
「うんち」「おしっこ」で9.5割近くのデトックスが成立します。※この場合はデトックスとは「不要なものを体外へ排出する」という意味です。
未だにテレビやラジオ、雑誌では「汗は最高の美容液」とか「汗をかいてデトックス」といった言葉が目立ちますが、汗の役割は体温調整です。気化熱を生み出す為の生理反応に過ぎません。
デトックスはあくまで「うんち」と「おしっこ」となります。
- うんちは吸収されなかった不要物
- おしっこは吸収され、体内で生まれた不要物
それぞれ役割が違うデトックスです。
どちらも正常な排出サイクルが維持できないと「蓄積・腐敗・酸化」を起こしますので健康には非常に良くありません。
「うんちが出ない」は身体にとっては大きな問題なのです。
うんちは「おから」みたいなもの
うんちとは豆腐でいうところの「おから」みたいなものです。体に必要なものは吸収され、残りかすとなった塊が「うんちの元」となり、そこから更に「水分が抜き取られる」事でうんちの最終形態となります。
利用できるものが残っていない、残りカスの最終形態です。
本来は適度な水分が残されるのですが、身体に水分が足りていないと「うんちの元」から足りない水分を吸収します。その結果「カラッカラ」の乾燥うんちが誕生するのです。
乾燥ウンチはカサカサコロコロで抵抗摩擦が強いのでにゅるんと出てきてくれません。むしろ詰まりを起こしてしまいます。正に便秘ですね。更には腸壁を傷つけ痔となる場合も。。
現代の便秘は「食べない便秘」は殆どありません。「食べてる便秘」が大半です。食べても出ない。それはウンチに水分が足りていない可能性が高いのです。
ウサギのフンみたいなうんちはまさにそれです。
食物繊維は「つなぎ」の役割を持つ
便秘といえば食物繊維。それも水溶性の食物繊維が有名です。食物繊維は早い話が「消化されない、消化に悪いもの」ですが、うんちの形成にはとても役立ちます。
- 食物繊維自体が腸壁のカスを削り取っていく
- ウンチの元であるカスの塊を繋いでいく
- 適度な水分を保持し・うんちへ供給する
「糖質の吸収を穏やかにする」特保や機能性表示食品において主役の成分ですが、実は本来の仕事は「腸内の掃除屋」であり「うんち職人」なのです。
手っ取り早い便秘解消の方法について
ウンチの原理をある程度理解してもらったら、後はその仕組みに従った対応をしていくだけでOKです。それで大半の便秘は解消していきます。
- ウンチの形成を助けてあげる
- ウンチが出やすい様に腸をサポートする
これだけです。 という訳で、具体的な方法について紹介をしていきます。
1.朝起きたら、1杯の水を飲む ※腸のサポート
まず最初に取り組むべきは「朝起きたら1杯の水」です。
血液ドロドロ対策として紹介される事が多いこの習慣ですが、実は便秘対策にも効果的です。
理由は簡単で「胃腸反射」を習慣的に起こす事になるからです。人間の身体は胃に何か入った瞬間に腸が連動して活発になります。「入った分だけ出そう」とするのです。
この胃腸反射は何も食べ物である必要はありません。胃に何かが入れば働きます。ですので、水分でも十分です。 朝起きたら、まずはコップ1杯の水を飲むようにしましょう。それを毎日の習慣にすることで便秘が解消する人も多いです。
2.摂取する水分を多めに調整する ※ウンチを作りやすく
「ウサギのふん」の様なうんちが出ている人は、まずは体内の水分をしっかり確保してあげる事が大切です。
1日の水分摂取量を今までよりも少し多めにしてあげましょう。1日の摂取水分は基本的に2.5リットルです。
- 飲料水:1.2リットル
- 食物中の水:1リットル
- 体内で生成:0.3リットル
便秘で悩んでいる人はまずは「1.2リットル」の摂取があるかどうかを確認し、足りていない場合は少し多めの1.5リットル程度の水分を毎日補給する様にしましょう。
体内の水分が十分に確保されると、うんちから吸収される水分が減りますので、適度な水分を保ったままでいられます。そうなると「にゅるん」とうんちが出やすくなります。
3.直接「食物繊維」を摂取する
ある意味、一番手っ取り早い方法がこれです。
食品から食物繊維を摂取するのではなく、「粉末の食物繊維」を直接摂取するのです。 正直、便秘で悩む人は難しいことを考えずにまずはこれから試してみると良いと思います。即効性でいうなら一番高い印象です。
ただし、スティックタイプの食物繊維はあくまで「健康促進」の為の量となっていますので、便秘を解消することを目的とした量ではありません。ですので、便秘を解消するためにはスティックタイプなら2本分くらいを1度に摂取してみてください。
食物繊維は摂取しすぎるとお腹が緩くなる可能性がありますが、便秘の方にとってはむしろありがたいメリットになります。過剰摂取で深刻な健康被害が起こる成分ではありませんのでご安心ください。
ちなみに、私は㎏単位で食物繊維を購入しています。水溶性の食物繊維「イヌリン」です。
4.生活リズムを整える
便秘で悩む人の特徴に「生活リズムが不規則」というものがあります。これは若い人に多いです。
排便は副交感神経が優位の状態で起こる生理現象ですので、生活リズムが不規則な「交感神経優位」の状態では例えうんちが正常に形成されても「出す機能」が障害を受けてしまいます。いわゆる自律神経のバランスの問題です。
ですので、生活リズムを整えることで「副交感神経」をしっかりと刺激し、排便欲求が内側から起こる様に整えてあげましょう。 早寝早起きくらいで十分です。
5.適度な運動