代替医療の片隅にいる俊カイロプラクティック院では色々な角度から健康情報を追いかけています。
その中でも身近な情報媒体はやはり「新聞」や「TV・インターネット」です。毎日物凄い量の情報が提供されています。
今回少しきになったのは「フレイル」という新しい高齢者の指標となった言葉です。「ロコモティブシンドローム」やら「サルコペニア」等、次から次へと似たような概念を提供する国の方針はさっぱりわかりませんが、とにかく「フレイル」という言葉が今は一押しみたいです。
今回の情報元はNHKチョイスさんとなります。
フレイルとは何?また出た新しい高齢者の健康指標
「性懲りもなくまた出てきてしもうた」
これが「フレイル」を調べて感じた素直な気持ちです。こういった概念というか定義が本当に大好きな国なんだなと思います。
- ロコモティブシンドローム:別名は「運動器症候群」で加齢による運動機能低下
- サルコペニア:加齢で筋肉が落ちる
- フレイル:加齢で虚弱しつつある状態。健康と要介護の中間位置
細かい定義は別としても「本質的には全く同じ」と言って問題ありません。「いやそれぞれが違うんだ!」と食い下がる人も多いと思いますが、それは右から左に受け流しても良いと思います。
加齢で身体が弱ってきている状態で「要介護の手前」
こういうことです。これでフレイルの説明がもう終わってしまいました。
フレイルは「社会との繋がり」が加わるから違うらしい
「ロコモティブシンドローム」「サルコペニア」は純粋な運動器の衰えや運動機能の低下についてのものであると言われ、一方の「フレイル」はそれに加えて「社会性」「社会とのつながり」といった項目が加わっているから別の概念であると言われます。
余り拘る必要のないポイントだと思いますので、そこは一応「違いを覚えておく」程度の認識でいましょう。細かい定義なんて些末な問題です。
気になったのはNHKチョイスの構成です。
実は私が気になったのは「フレイル」という言葉の話ではありません。「NHKチョイス」の番組の構成についてです。
何度か見直してみたのですが、やっぱり「え?何か違和感を感じるなぁ」となったので備忘録的に残しておこうと思います。
フレイルのおじいちゃんはこんな人だった
番組中でフレイルだったことが判明した「自称元気なおじいちゃん」は以下の感じで紹介されました。
- 1日1万歩歩く
- 趣味は40年間続けているテニス
- 身体だってほれこのと~り柔らかいぞ~(前屈ペタリ)
立派なアクティブシニアだと思います。そんなおじいちゃんが奥さんと一緒にフレイルチェックをしたところ「え?わしフレイル?」とびっくりする展開に。
「自分は元気だと思っていたのに体力が衰えていた事にショックを受けた」
という流れだったのですが、、、、ここら辺から微妙な違和感が出始めました。
違和感1:実は運動していないおじいちゃん
1日1万歩歩くスーパーおじいちゃんですが、実は1日の運動は本当にそれだけらしくて、後は家でのんびりされているそうです。
- 1日1万歩歩く
- 家では座りっぱなし
- 人に会う機会は余り無い。恐らくテニスくらい
1日1万歩は凄いですが、それ以外を見ていると決してスーパーおじいちゃんという訳ではなさそうになってきました。
違和感2:フレイルチェック表の「がんばろう」の項目が微妙
スーパーに近いおじいちゃんがショックを受けたフレイルチェック。おじいちゃんは半分以上が「頑張りましょう」となっていたそうです。それを見てショックを受けるおじーちゃん。
でも、よく見ると項目が何か微妙。
- 活舌はどうか?
- お口の健康度はどうか?
- 片足立ち上がりはどうか?
- 握力はどうか?
- 人との繋がりはどうか?
- 組織参加はどうか?
見ている限り、あんまり筋肉関係ないんですよね。つまり「歩いているのに何で!!!」というおじーちゃんのショックを強調する構成に「う~ん」と首をかしげました。
片足立ち上がりが弱いのは「座りっぱなし」の自宅での生活が原因でしょう。これはできない人の方が多いので気にしなくて良い項目です。
握力は歩行とは全く関係ありません。テニスをしているなら利き手はそれなりにあるはずですが、その点は不明です。
お口の健康度や活舌は「人と会う事が無い」おじーちゃんなら衰えていて当然です。そしてそれはそのまま「社会との接点」という項目に響きます。
1万歩歩いて柔軟性もバッチリなじーちゃんでもフレイルだぁ!皆も気を付けろ!という流れにしたいのでしょうが、チェック表を見ても1万歩とかあんまり関係ありません。柔軟性なんてもっと関係ない。
最近、健康系の番組は局関係なく「少々論理展開が強引」であり「誤解を招きかねない」様な内容が増えてきたような気がします。今回のチョイスも天下のNHKなんですよ!