四十肩、五十肩は最近は「変形性肩関節」という言葉に置き換わってきたようです。
1つだけ覚えておいて欲しいのは「肩こり」とは全く別の疾患である事。それだけは忘れないようにしてください。
今も「仮説」段階にある四十肩・五十肩
最近「腰痛の9割は原因不明である」という話題が再燃している感じです。ですが原因不明は腰だけの特権ではありません。
実は肩に関しても原因不明は多いのです。
その一つが「四十肩・五十肩」でした。実は最近になるまで四十肩や五十肩は「断定しきれない」とされていた疾患だったのです。
今でも「四十肩・五十肩のメカニズムはこう考えられている」という現時点での解釈による解説が一般的です。
ですが診断機器の発展によって徐々にそのメカニズムが解明されてきています。
医学の解釈をまずは理解しておこう。
医学は現在「四十肩・五十肩」をどう解釈しているのか。まずはそこから覚えていきましょう。
日本整形外科学会の公式HPに書かれている情報を主に紹介していきます。
四十肩・五十肩の原因について
四十肩・五十肩は主に中年以降の方に多く発症する疾患であり、その原因は
- 骨の老化
- 軟骨の老化
- 靭帯や腱の老化
等の加齢現象により「肩関節周辺の組織に炎症が起こる事」とされています。
いわゆる「加齢現象」の類ですね。
その老化現象に加えて肩関節内にある潤滑油としての組織「肩峰下滑液包」や関節包の癒着による運動制限が拍車をかけるとしています。
肩の関節包の炎症は「凍結肩」とも呼ばれる
肩関節の関節包が拘縮を起こし関節の可動制限を起こす状態を凍結肩とも呼ぶそうです。
厳密な基準があるのかもしれませんが、とりあえず「呼び方」が色々とあるので非常にややこしいですね。
凍結肩は今は余り使われない言葉だと思いますが、四十肩・五十肩の一種だと考えておけばよいと思います。
四十肩・五十肩の診断基準について
四十肩・五十肩以外の肩関節の疾患には
- 上腕二頭筋長頭腱炎
- 石灰沈着性腱板炎
- 肩腱板断裂
等があり、その鑑別方法がとても気になるのですがそれについての詳細はありませんでした。
レントゲン、関節造影検査、MRI、エコーなどで区別をするそうです。
もう少し掘り下げた情報があると助かるなぁ、、というのが本音です。
肩関節周囲炎というのは四十肩・五十肩のこと
肩関節周囲炎って何ですか?と問い合わせを頂く事がたまにあります。
「肩関節周囲炎=四十肩・五十肩」
という認識でOKです。
診断基準は病院によって本当にマチマチ
院長自身は別に肩に問題がある訳ではありませんが、来院される方の話を聞いていると
「画像診断」を受けた患者様は少数派です。
年齢が若い場合(30代~40代)にはレントゲン撮影をするケースが多い様ですが、50代以上になると途端に「筋力検査」で判断をされる割合が激増します。
画像診断は受けましたか?と聞くと「ありませんでした」という人が半数以上です。
診断は男性の場合は「上腕二頭筋腱炎」か「腱板損傷」とされるケースが多く、女性の場合は「五十肩」と言われる事が多いようです。
あくまで当院に来院される患者様に限るデータですが、それにしても画像診断は思った以上に少なくなっているみたいですね。
基本の検査は外転検査のようです
来院された方にどの様な検査をしたか?と質問をした時にほぼ全員が一致した検査は
「外転挙上検査」でした。
肩を外転して持ち上げられるかどうか。そして90度の位置で上からの力に抵抗できるかどうか。
これが今のスタンダードみたいですね。