「セットポイント」という言葉を是非知っておいてください。これは覚えておいて絶対に損はしません。
人間の健康に関して、ホメオスタシスに関して重要な役割を果たしているのが「セットポイント」という脳が持つ基準点です。
「セットポイント」という名の基準点
私達人間には「セットポイント」と呼ばれる「ニュートラルゾーン」の基準点が存在しています。
脳が認識する「正常」の基準点
こう覚えて下さい。
身体には様々なセットポイントが存在しますが、最も代表的な「セットポイント」は「平均体温」です。通常は「体温のセットポイント」が36.5度前後にセットされています。いわゆる「平熱」の状態です。
そこに、感染が起こると発熱を起こして37度以上に体温が上がります。いわゆる「熱が出た」という状態です。
これは「体温のセットポイントが上方修正された事」が原因です。
感染した細菌やウィルスによって体温が上がるのではなく、身体が自分で体温を引き上げたのです。
その目的は「免疫力の上方修正」です
※36.5度より37~38度の方が白血球は圧倒的に活発に働く。
つまり風邪による発熱は「平熱を免疫発揮型に切り替えた」だけの話なのです。
ちなみに、人間の免疫力は1度上がるだけで5~6倍上昇するとされています。※数値は専門医家によってバラバラ
そして、これと同じことが「重心」にもあてはまります。重心にもセットポイントが存在しているのです。
セットポイントは常に変化する
セットポイントは固定されていません。常に変化しています。
- 体温であれば「36.5度前後」
- 重心であれば「正中線上」
これは人間の「ニュートラル」の状態におけるセットポイントです。
ですが、感染時には体温のセットポイントは「37度以上」へと上方修正が入り、身体が歪み続ければ重心は位置を変化させます。
セットポイントとは「絶対的な位置」ではなく「その状況下で脳がベストと判断した位置」という事です。
ですので、正中線上にあるのは「本来のセットポイント」ですが、歪みを抱えた身体のセットポイントもまた「その状況に置いては正しいセットポイント」である事を覚えておいてください。
どちらも正しい。その状況における正解であるという事です。
重心のセットポイントとは何処か
重心の本来のセットポイントは「正中線上」です。臍下丹田の位置です。
重心位置のセットポイントが本来の状態にあると、前後左右上下の筋バランスが取れ、筋肉の連動ネットワークである「キネティックチェーン」が正常に機能します。
多少の歪みがあっても、一晩眠ればすっかり良くなるだけの余裕が身体に生まれます。
この状態を維持できている人は殆どいません。
殆どの人が歪みを抱えて、歪みを定着させて生活をしています。
セットポイントを維持する方法
「本来の重心のセットポイント」を維持する為に必要な条件は「身体を正しく使う事」です。
- 人間の身体は「使う」事を前提に作られています。
- 「使う」事で血液が巡り健康が促進されます
- 正しく使うだけで健康が維持されるシステムなのです。
ですが、現代社会は「如何に身体を使わずに楽をするか」で発展を続けている社会です。「使う為に用意された仕組み」は「使わない事」によって衰えていきます。廃用性萎縮と呼ばれる現象がこれにあたります。
宇宙飛行士や寝たきりの患者さんに起こる廃用性症候群はその一つの形ですね。使われない事によって、筋肉がどんどんリストラを受けていく。
不要なパーツとして脳に判断されてしまうのです。