【最終更新日:2016/07/23】
解剖学44 【第10章:運動器系】 3.体幹:背筋
4.背筋
- 脊柱および胸部の後方にある筋の総称
- 浅背筋と深背筋の2つに分かれる。
1.浅背筋
- 背部の表層を覆う筋肉群
- 主に脊柱から起始し、上肢帯・上肢の骨に停止する。
- 4筋からなる。
- 主に上肢の運動に関与する。
1.僧帽筋
- 上・中・下で繊維の走行が異なる
- 上:肩をすくめる運動。肩甲骨・鎖骨の外側縁が挙上する。
- 中:筋繊維が水平に走る。
- 下:肩甲棘の内側端を下方に引く。
- 上肢が固定されている場合
- 両側が同時に傾くと頭が後屈する。
- 片方の場合は側屈する。
2.広背筋
- 本来、上肢帯の筋肉
- 脊柱からの起始は二次的なもの。
- 上肢を後方へ引く
- 肩関節を内旋・内転させる。
- 停止部を固定すると、体幹を挙上させる。
3.肩甲挙筋
4.菱形筋
- 棘突起と肩甲骨の内側縁を結ぶ筋。
- 肩甲骨の内側縁を内上方へ引き上げる。
- 挙上した腕を下げる時に働く。
2.深背筋
A:第1層(棘肋筋)
- 椎骨の棘突起と肋骨を結ぶから棘肋筋
- 肋骨を上下させ、呼吸の補助金として働く。
- 筋は薄く力は弱い
- 本来は肋間筋に分類すべき筋
- 上部:肋骨を引き上げる。
- 下部:肋骨を引き下げる。
- 肋間神経の支配を受ける。
B:第二層(固有背筋)
- 本来の背筋(固有背筋との総称も)
- 脊髄神経後肢に支配
- 脊柱の両側にあり、後頭部から仙骨まで縦走する筋群
- 全体として腰を直立させる。
- 胸部・腰部では厚い胸腰筋膜に包まれており、浅背筋と明らかに区別されている。
1.板状筋
- 僧帽筋の下層に位置する。
- 頸部・頭部を後屈(伸展)
- 停止の違いから頭板状筋・頸板状筋と別れる。
- 頭が重力で前方に傾かないようにする
2.脊柱起立筋
- 最大の背筋
- 腸骨・仙骨の後面から側頭骨の乳様突起まで続く。
- 外側から「腸肋筋」「最長筋」「棘筋」が並ぶ。
- 脊柱を伸展させる。
3.横突棘筋
- 最深層の筋
- 横突起から起始し、1椎上の棘突起に停止する。
- 斜め上方に走る。
- 1.半棘筋(長)
- 2.多裂筋(中)
- 3.回旋筋(短)
- 1>2>3の順で筋肉の長さが変わる。
3.後頭下筋
- 項部最深層の筋群
- 後頭骨から頚椎2番までの領域に見られる
- 4筋からなる。
- 1.大後頭下筋
- 2.小後頭下筋
- 3.上頭斜筋
- 4.下頭斜筋
- 後頭下三角から出現する第一頚神経後肢の支配を受ける。