【最終更新日:2016/05/07】

生理学3【第一章:生理学の基礎】 細胞の構造と働き

2.細胞の構造と働き

多細胞生物は

  1. 生殖用の生殖細胞
  2. 身体を構成する体細胞

から構成されている。

体細胞の中には増殖可能なもの、不可能なものがある。

  • 増殖可能:皮膚細胞・肝臓細胞など
  • 増殖不可能:神経細胞・筋細胞

人の細胞は「細胞膜」「細胞質」「核」からなる。主な分子は「水」「タンパク質」「糖」「脂質」「核酸」で、主な原資は「H」「O」「C」「N」である。

 

1.細胞膜の構造と機能

細胞膜は細胞内に存在する全ての物質を外界と隔てている。

細胞は細胞膜を介して「取り込み」と「排出」を行う。

※神経細胞・筋細胞の場合は細胞膜が電気的に興奮して情報交換・伝達を行う。→筋収縮や感覚情報の伝達など。イオンチャネル・ポンプが重要な役割を果たす。

細胞膜は「タンパク質」と「リン脂質」からなる。

細胞膜は半透性の性質を持っており、O2,CO2,アミノ酸は通りやすい。また脂質に溶けやすいものも通りやすい。イオンに対しては選択的な透過性を持つ。

一方で「タンパク質」の様な大きな分子は通らない。

○糖鎖

細胞膜のタンパク質に付着している糖分子。細胞同士の認識の際に活動する。

 

2.核

核は球形で、核膜に覆われている。

個体の遺伝情報を持ったDNA(デオキシリボ核酸)が存在している。

通常、DNAはタンパク質と融合して染色質として核内に存在している。それが細胞分裂の際に凝集して染色体を形作る。

人は46本、22対44本の常染色体と1対2本の性染色体からなる。

 

2.1 細胞分裂とDNA

体細胞分裂の際、核内のDNAは正確にコピーされ、全く同一のDNAが合成、受け継がれる。

○減数分裂

生殖細胞が分裂する際(精子・卵子ができる時)は、染色体数が半減する。

  1. 11対22本の常染色体
  2. 1本の性染色体
  3. 合計:23本の染色体。

精子と卵子はまさに「半身」である。そして女性は性染色体がXXである以上は減数しても必ず「X」である。つまり子供の性別は男性の精子が持つ「性染色体」が握っている。

 

2.2 タンパク質合成

細胞は自己複製の他に細胞特有のタンパク質合成を行う。そして、核内のDNAにはタンパク質合成の情報が詰まっている。

○ゲノム

細胞が持つ遺伝情報全体を指す。人のゲノムは30億の塩基配列からなる。

 

3. 細胞質

タンパク質からなる液状の細胞質基質からなる。

4. ミトコンドリア

細胞内にある「ATP」を合成、供給する装置。

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