解剖学
第一章:人体の構成
人体最小の単位は「細胞」で、体重1kgあたり1兆個とされる。人体に60兆個の細胞とされるのは60kgの人間を前提にしている。
形態と機能を同じくする細胞が集まり、「組織」を構成する。※似た者同士が集まったもの。
複数の組織が協同して一定の機能を営むために集合したものが「器官」である。つまり「ある機能」を営む為に「異なる役割を持った複数の組織」が集まり共同体として成立したもの。※利害一致で団結した複数の別集団。
器官が集まると「器官系」を形成する。
1.細胞
細胞の大きさ・形はバラバラ。最小はリンパ球で5μm。
1. 細胞の構造
- 1枚の細胞膜に囲まれ、細胞質を外界から隔てている。
- 細胞質には細胞小器官、細胞骨格があり、生命活動を行っている。
- 遺伝情報の格納されたDNA(細胞核)を持つ。
1.1. 細胞膜
- 脂質・糖・タンパク質からなる。
- 細胞間の認識は糖鎖が行う。
- 細胞膜は物質ごとに異なる透過性を示し、物質の取り込み~排出を行う。
1.1.1. 単純拡散
脂質性物質,H2O,O2,CO2 等は細胞膜を自由に出入りできる。主に濃度勾配に従い移動する。(浸透)
1.1.2. 促通拡散
膜がアミノ酸を捉え、通過させる。
1.1.3. イオンポンプ(能動輸送)
ATP分解によるエネルギーを必要とする。細胞では常にNA+を細胞外へ。K+を細胞内へと輸送している。※細胞消費のエネルギーのうち、40%は能動輸送へ。
1.1.4. イオンチャネル
神経細胞が興奮をした際にゲートが開く。NA+が細胞内へ流入。電位を終わらせる時にK+が流入する。
Ca+の移動で筋の収縮が起こる。
1.1.5. 食作用
異物を取り込む。
1.2 細胞小器官
- 小胞体
- リボソーム
- ゴルジ装置
- 中心小体
- ミトコンドリア
- リソソーム
- 細胞骨格
2.細胞分裂と遺伝子
2.1. 細胞分裂
人体の細胞は一つの受精卵が繰り返し分裂して産生したもの。
但し、全ての細胞が常に分裂をしている訳ではない。
- 増殖をしない細胞
- 必要な時に増殖をする細胞
- 常に増殖をしている細胞
に分類され、全体として調和している。
この調和(Balance)から外れ、単独で増殖を続けている細胞ががん細胞である。
2.1.1. 細胞周期
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2.1.2. 染色体
細胞が分裂していないと見ることができない。分裂の前にDNAは複製されるが、情報を動かしやすい様にコンパクトに荷造りをされる。
そのコンパクトにされた遺伝情報が染色体である。
主に染色体は22対の常染色体と1対の性染色体からなる。計23対46本。
2.1.3. 減数分裂
生殖細胞(精子・卵子)を作る時の細胞分裂は「減数分裂」となる。
2.2. 遺伝子
運動・代謝などの姓名活動を支えているのは酵素であり、酵素はタンパク質からなる。
タンパク質は20種類のアミノ酸からなり、タンパク質の種類はアミノ酸の配列の数だけ存在している。
このアミノ配列の情報は遺伝子の中に格納されている。※アミノ配列はそれぞれ固有のもの。
1つの遺伝子が1つのアミノ配列(タンパク質)を決める。
遺伝子が遺伝情報にのっとり、タンパク質を構成する過程を「遺伝子の発現」という。これはDNAとRNAによって実行される。