ざっくり言うと
- 「1日10,000歩は要らない」がポイント
- 対象はあくまで「ロコモティブシンドローム」つまり運動機能障害。
- メタボリックシンドローム対策には10,000歩以上、30分以上としている。
先に結論から。
- メタボリックシンドローム対策込みの健康には1日10,000歩は大切。
- やっぱり「1日10,000歩」は確かなものだった。
- 今、日本が直面しているのは正に「国民メタボ化」である。
個人的には「1日10,000歩神話」へのアンチテーゼなのかなと思いながら読みましたが、結論としては1日10,000歩が持つ健康効果を証明する内容になっていました。
日本人がこれから迎えるのは、間違いなく「メタボ時代」であり、そこからくる「生活習慣病」です。
そのメタボリックシンドロームに対して効果的な運動量が「1日10,000歩以上、30分以上の3mets運動」という事がしっかり証明されたのは患者さんに説明する上でもとても有り難いです。
1日8,000歩の青柳先生の理論を簡単に読み解く。
参考:こちら
- 「1日10,000歩」はいらない。
- 「3mets程度の大股の速歩で20分がベスト」
という理論で有名になった青柳先生です。1日10,000歩は僕も患者さんに良く伝える目安だったのでこの理論はとても注目しました。
僕個人の運動時間もかなり節約できるからです。
ですが、何度も繰り返し読む中で、疑問に感じる点が幾つかあったので抜粋しておこうと思います。
ちなみに、僕が読んだのは「参考」でリンクを貼っている記事のみです。
20分速歩きと8,000歩はセットにならない。
身長168センチの30代半ばの男が2年近く、毎日ウォーキングをして辿り着いた結論は「10分1000歩」以上は軽いジョギングになる。という事実です。
なので、20分間のウォーキングではどれだけ大股にしても、2,000歩~2,500歩が限界だと思います。
3metsの運動で25分未満を歩数で表現すると、3,000歩行けば御の字です。なので残る5,000歩の質が見えませんでした。
とりあえず確定項目は
- 1日3metsの運動を20分行う習慣
- 1日8,000歩歩くという習慣
が健康には良いという事です。
これを同時に実現できれば良いのですが、僕の経験上「10,000%不可能」です。
健康的なグループは「バランスの良い食生活」を摂っているとの記載。
個人的には健康という指標は「日常生活の総合得点」だと思っています。
なので「食生活」についての記載には納得でした。逆になければ不自然です。
ここでの確定項目は
- 毎日の運動習慣がある (全身に血が巡る)
- 食生活にも気を配っている (血液に栄養が豊富)
という健康意識の高さが結果的に生活に反映しているという事です。特定の習慣がという事では無いと思います。
メタボリックシンドローム対策には10,000歩必要としている。
ここ、勘違いしている人がかなりいるのですが、この「1日8,000歩、20分の速歩き」はあくまで「運動機能障害」つまりはロコモティブシンドローム対策を前提にしています。
メタボリックシンドローム対策ではないです。
実際、メタボリックシンドローム対策としての必要な運動量は「1日10,000歩以上・30分以上の3mets運動」と設定しています。
なのでメタボリックシンドローム対策としては「1日10,000歩」はやっぱり正解という事。
「1日8,000歩、20分の速歩き」が健康のカギはタイトルが紛らわしいと思う。
結論としては「1日8,000歩」と「20分の3mets以上の運動」が大切なのであって、更には「速歩き」が一番手軽であるという事です。
つまり、「歩数」と「運動の質」は厳密にはセットではない訳です。でもタイトルは明らかにセットに扱っています。
だから僕が「20分では8,000歩は無理」という様な違和感を感じたのだと思います。
1日10,000歩という固定観念に対してのアンチテーゼを打ちたかったのだと思いますが、医療の世界がこういう「誤解を生む表現」をする時代になったのは少し悲しいですね。
医療の世界はこういう表現を「遺憾に思う」業界であってほしかった。
最後に:1日10,000歩歩くけど骨折した人のケースは無理がある。
1日10,000歩歩いているのにも関わらず、骨粗鬆症となり骨折をしてしまった女性の例がありますが、その職業は旅館の女将さんで、毎日着物を着て摺足で歩いているそうです。
これを1日10,000歩にしちゃ駄目だと思います。読む人は「1日10,000歩神話は嘘なんだ!」という受け止め方をすると思います。個人的にはフェアな情報には感じません。。。
着物による歩行は「不自然」な歩行なので低強度なんてレベルじゃないです。姿勢は綺麗でも身体にとっては雁字搦めなだけです。