ざっくりいうと
- 虫歯治療は「虫歯の処置」と「口内環境改善」の二つ。
- 大体「削って詰めて終わり」と勘違いをしている。
- 虫歯菌(ミュータンス菌)をどれだけ抑えるかが大事。
日本の「歯」について
- 歯の少ない人程、短命である。
- 歯の少ない人程、栄養不足である。
- 歯の少ない人程、炭水化物は多く取っている。
これは生活習慣の問題だと思われます。健康に対して関心が薄い人程、歯を失うリスクが高いという事ですね。
次に日本の歯磨きの現状について。
- 96.2%の人が毎日歯を磨く。
- 1日2回は49.4%
- 1日3回は21.0%
- 1日1回は25.8%
歯磨き習慣が生活の中に溶け込んできているものの、虫歯根絶には至っていません。
恐らく、「歯の磨き方」の問題と「食べ物の問題」だと思われます。
ちなみに、歯を失う理由は
- 虫歯:55%
- 歯周病:38%
- 事故:6.6%
まだまだ、虫歯によるものが多いようです。
虫歯ができるまで
虫歯とは「ミュータンス連鎖球菌による感染症」です。
このミュータンス連鎖球菌が
- エナメル質にとり付く
- スクロース・マルトースを代謝し「グルカン」を産生、さらに「乳酸」を排出。
- 酸がエナメル質を溶かす。
大雑把にいうとこんな流れです。
グルカンがトリモチの役割を果たし、歯の表面によりミュータンス菌やプラークを接着させます。そしてバイオフィルムを形成しスクロース無しでの代謝活動に入る流れです。
バイオフィルムは唾液の洗浄能力を緩和してしまうので、バイオフィルムが形成されると厄介です。
○バイオフィルムについて
- 細胞膜の様なもので外界を遮断する。
- 唾液を通さないので細菌が繁殖しやすい。
- 徐々に固くなり、最終的に歯ブラシでは歯が立たなくなる。
歯磨きについて
- 力より時間。
- 色々な角度から歯と歯茎を磨くこと。
ミュータンス連鎖球菌について
ミュータンス菌は最初からヒトの口腔内に存在しているのではなく、口移しや食器の共有などによって、感染者の唾液が口に入ることによって感染する。
参考:http://ur0.pw/rTg3
- 唾液による感染なら、子供を叱っている時に唾液飛沫が生じてもダメなのか?
- 子供と密着して喋ること自体がリスク。
- 顔をスリスリして喋る事自体リスク。
- 友達とじゃれ合う事自体がリスク。
親が自宅でどれだけ注意しても、恐らく保育園・幼稚園・学校で感染する可能性が極めて高い気がします。
その他の点
○唾液の役割とは
- 洗浄作用:物理的に洗い流す。
- 再石灰化:唾液にはカルシウム、リン酸、フッ素イオン等があり、再石灰化を促進する。
- 中和:唾液の重炭酸が酸を中和する。
唾液を増やすには「噛む事」が大事。
○虫歯の治療とは何か?
- 齲蝕した歯の処置
- 口内環境の改善 → こっちがとても大切。
○歯周病について
- 歯周病も感染症である。
- 歯周病は自己免疫疾患に近い。
- 歯肉溝に入り込んだ歯周病菌に対する炎症反応(歯肉炎)が歯槽骨まで及んだもの。
- いわば、歯槽骨は巻き込まれた形。
- 被害を最小限にする為に歯槽骨が切り捨てられたのか?